THE TANGENT
"Comm"
イギリスのプログレッシヴロックバンドの6thアルバム。
キーボーディストのアンディ・ティリソン率いるイギリスの重鎮プログレバンドによる
2011年リリースのアルバムで本作は通算6作目となっている。シンセプレイヤーが
中心人物のため音楽的にはキーボードがメインの王道を行くプログレッシヴロックを
プレイしておりハードさはそれほどでもないがギターは結構泣きのメロディーを奏で
曲調としてはフワフワした漂うような明るさがありTHE FLOWER KINGSに近いタイプだと
言えよう・・・!プログレらしくやはり大作志向で20分の曲、15分越えの曲が
アルバムの頭と最後に配されこの2曲が本作のメインとなっているぞ!
1曲目は早速の20分を超える大作で昔のインターネット接続音のSEに始まりシンセが
スペイシーな音色を奏でハモンドも登場しキーボードメインのいかにも
プログレなサウンドを展開、ギターも顔を出しメロディアスな泣きのプレイを披露しフルートの
音色も聴けタイトなアンサンブルが続き3分ほどしてからようやくヴォーカルが登場、
プログレバンドらしからぬソウル、ブルース系の意外と渋めの声質でノリよく歌い
ムーディーかつテクニカルな展開を見せホーンの音色も顔を出し中盤ではファンク的な
カッティングにピアノがソロを披露、その後は穏やかなムードを演出しピアノに跳ねるようなベース、
アコギにフルートも顔を出し実に叙情的じゃのう・・・!そして15分前後でシンセが派手さを出し
一気に盛り上がりを見せるぞ!ラスト近くのギターのメロディーが良いな。2曲目は牧歌的な明るさを
持ちつつも緊迫感を保ちギターもそれなりにハードなリフを弾きつつやはりメインはシンセだな。
途中で怪しげなムード漂うジャジーなパートになりフルートやホーン、ベース、クリーンギター等が
淡々としつつも何とも言えない怪しさを放っておるのう・・・!その後は疾走しシンセがうねるような音を聴かせ
ギターがレガートな速弾きソロを披露しテクニックを見せ付けるぞ!3曲目は鳥のSEで始まり
穏やかなムードが演出されクリーンギターに跳ねるベース、ソフトなヴォーカルが
マイルドさを放ちオルガンやサックスにブルージーなギターも聴けるバラード寄りの曲調。
中盤以降でバックを固めつつ自己主張する泣きのギターソロがこの曲のメインだろうか!?
4曲目は巻き舌フルートがいかにもプログレなムードを演出し穏やかで明るく
どこかポップな印象もあるオルガンが軽快な曲。サックスソロも顔を出すぞ。
後半はシンセやらサックスやらフルートが渾然一体となり盛り上がりつつどこかオシャレな
印象もあるのう・・・!5曲目は15分越えの大作でサントラライクな怪しいイントロに始まり
フルートやオルガン等シンフォニックな音作りで怪しく淡々と展開しそしてバンドサウンドも
登場し盛り上がるがその後はやはり物静かかつ緻密なアレンジでヴォーカルも顔を出し
非常にドラマティックなスタイルを見せているな・・・!中盤では怪しげな雰囲気も醸し出され後半は
小洒落たジャジーさも出始めピアノ、シンセ、ギターソロはいかにもプログレだな。
キーボード、シンセメインの王道を行くプログレで70年代のバンドのような独特の
怪しさ、胡散臭さは薄く80年代以降に出てきたポンプロック、ネオプログレの系譜に
位置するバンドだと言えよう・・・!テクニカルではあるがそこまで技巧のひけらかしに
陥っているわけではなくテクより曲展開重視でギターも流麗で鋭い速弾きを披露する箇所も
多いがなかなかにメロディー重視の姿勢を見せておりシンセオリエンテッドではあるが
クサくクラシカルなオーケストレーションが聴けるという事でもなくスペイシーな音色、
ハモンド系がメインのあくまでもストレートな奇をてらわないプログレとなっておる!
小洒落たジャジーなアレンジも結構多く個人的には叙情性あるアレンジやクラシカルな
シンフォニックさ(クサさ)が好みなんだがこのマイルドかつオシャレなノリが好きなら楽しめるだろうな。
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